電子契約シェア80%のクラウドサインは本当か? 詳しく調査してみた

クラウドサインは電子契約市場のシェア80%を占める、とよく言われていますが本当でしょうか?調査の詳細や他社レポートなど様々な情報をもとに調査をしてみました。

クラウドサイン シェア80%の出所・導入件数は?

まずクラウドサインのシェア80%とはどのような根拠に基づいて算出されているのか調べてみました。ソースを辿ってみたところ、運営会社の弁護士ドットコムの2019年度決算資料のなかに該当箇所を見つけました。

2019年5月に公開された決算資料によると、その資料時点でクラウドサインの導入企業数は42,453社、また導入企業のシェアは80%であり残りの20%は競合10社が占める、という記載があります。このうちシェアに関する記載は、2018年8月の矢野経済研究所の調査に基づくデータであることがわかります。

19年5月公開のクラウドサインIR資料より

詳しい調査方法・母集団の数などは不明ですが、資料をさらに探したところ「電子契約サービス主要 12 社において、有償・無償を含む発注者側ベースでの利用登録社数」の集計結果であることは記載されていました。(参照元はこちら

一方で、日本の企業数がおよそ380-400万社程度であることを鑑みるに、国内企業におけるクラウドサインの利用率は1.3-1.2%程度であることが推測できます。

なのでまず仮に80%のシェアをクラウドサイン単体で占めていると仮定したとしても、国内企業への普及率を考えた場合では1.5%程度なのでまだまだ市場の伸び代・競合の巻き返しが起こる可能性はあると言えそうです。

他社の公表している実績と比較してみる

これでけでははっきりしないため、今度は代表的な電子契約システム企業の公開している情報を参照してみます。

電子契約システムでは主にGMO agree、ドキュサイン、Holmes、ソフトバンクのサインナップあたりが代表的なのでその4社で導入数に関する公開情報がないか調査をしてみました。

GMO Agreeの導入件数は?

GMOが提供するAgreeという電子契約サービスの導入件数は、運営会社であるGMOクラウドのIR資料の中から見つけることができました。2019年12月期の第二四半期決算資料によると、導入件数は約2,600件という記載がありクラウドサインと比べるとかなりかけ離れていることがわかります。

GMO Cloud 2019年第二四半期決算資料より

1件の件数のカウント方法に多少差異がある可能性はありますが、クラウドサイン・GMOagreeどちらも無料で月数件は電子契約を締結できる無料プランの用意もあるため、GMOだけ有料プランしかなくて集計数が少ない、といった差はあまりなさそうです。

ドキュサインの導入件数は?

続いて海外では圧倒的なシェアNo.1を誇る、ドキュサイン(docusign)について調べてみました。まず2019年9月に発表された「DocuSign Investor Presentation Fall 2019」によると全世界でドキュサインの何らかのサービスを利用している事業者数は約53.7万社であることがわかります。

DocuSign Investor Presentation Fall 2019 より

これだけでみるとクラウドサインより全世界では10倍ほどの顧客を抱えており、圧倒的に世界シェアを保有していることはわかります。

日本だけでみた場合のシェアについてですが、残念ながらIR資料には国別の導入社数は載っていなかったので、類推としてアメリカ・それ以外の売上の割合を参考にしてみました。同じIR資料によると、アメリカ以外の売上は全体の約18%ほど、イギリスやフランスなどいくつかの国でも同時展開していることを鑑みるに日本は1~2%程度と仮定してみます。

DocuSign Investor Presentation Fall 2019 より

そうすると、全世界50万社 x 1~2% = 5000~1万社程度がIR資料から推察する ことができます。もちろん参考にした指標は売上ベースなので導入件数ではブレがある可能性はありますが、クラウドサインのHPに日本企業の導入事例がほとんど載っていないという事実も考えると、実際はもうちょっと少ない可能性もあると言えるでしょう。

holemsの導入件数は?

holems(ホームズ)は契約ワークフロー・タスク管理までを含めた電子契約サービスなので他社と比較すると中堅〜大手企業が対象に近しく、やや比較はしづらいです。webサイト上では導入件数などの情報は一切公開してなかったため、残念ながら正確な件数はわかりませんでした。

しかし導入事例の中にはRIZAPや三菱地所、パーソルキャリアなど上場大手企業が多数掲載されているため、19年時点で数百〜2000社程度は導入件数があるのではないかと推察します。

まとめ

大手4社の公表されている情報から集めて推察しても、クラウドサインの導入件数は群を抜いて圧倒的と予想されます。

一方でクラウドサイン以外も少なくとも数千社は導入されていると予想されるため、導入件数の80%という調査結果が実態を正確に反映しているかというと、やや懐疑的と言えるでしょう。実際は40-60%程度のシェアが今の実態といったところでしょうか?(あくまで推察です)

各電子契約サービスの特徴について比較をよりしたい方は、ぜひこちらの比較記事をご覧ください

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