電子契約のデメリットについて 業務フローを移行する際には注意が必要?

電子契約イメージイラスト

電子契約は最近様々な企業で導入されることが多いですが、実際紙の契約書と比べて気をつけるべきデメリットやメリットをまとめました。

電子契約のメリット

まずは今の紙の契約書を電子契約に置き換えた場合について整理していきます。電子契約の主なメリットは3つあります。

1.圧倒的にラクで早い。

まず一番強力な利点は圧倒的な契約作業のラクさとスピードです。従来の作業では、

  1. 社内で2部印刷して契約書を製本、収入印紙を貼る。
  2. 自社分の契約書の押印・署名を法務部や代表に手続きしてもらう
  3. 相手の住所を手書きなどして郵送する
  4. 相手の部署に届いたら契約内容を再度確認し同じく署名・押印をもらう
  5. 1部は保管してもらい、1部を自社に返送してもらう
  6. 手元に1部が届き、契約締結・保管までが完了。

というような流れを取ることがで多いです。手続きの数も多ければ、誰かに依頼をしたり郵送されるまで待っていなければいけません。

これに対して電子契約では、オンライン上にpdfなどで契約書データを用意し、相手のメールアドレス宛に送信し、お互いがオンラインで署名すれば5分で契約締結が完了します。特に急ぎで案件が進みうっかり契約を忘れていた時など、今すぐ契約を進めたい場合には電子契約は非常に便利です。

2.郵送・印紙税・製本代などが不要。小規模なら無料で導入できる

次にあげられるメリットは、電子契約の方が金銭的なコストが安いことが挙げられます。一般的に紙の書面で契約を締結した場合には、印紙税という税金がかかります。契約する金額によりますが高額な場合だと数千円〜数万円の印紙税を支払わなければならない時もあります。(契約ごとの印紙税額のまとめ記事はこちら

電子契約の場合、印紙税が必要な課税文書には当たらないとされているため印紙税を支払う必要がありません。さらにオンラインで完結するため印刷や郵送などにかかる費用も全て0円で抑えることができます。

とはいえ、オンラインで完結する電子契約システムには費用がかかるのでは?と思われるかもしれませんが、クラウドサインなど代表的なサービスは月5件程度の契約であれば無料で使えるケースも多いです。

(シェア80%を占める、クラウドサインの使い方・料金プランなどの概要はこちらの記事に詳しくまとめています。)

3.契約した後の契約書管理もラク

地味に忘れがちですが、契約は交わした後に契約書を7-10年ほど保管しておく義務があります。(契約書の種類により多少変わりますが、法律で定められています。)当然、その辺に置いておいて紛失した、という事故を防ぐ必要があるため鍵付きのロッカーに入れておいたりする必要が出てきます。

1部や2部程度ならどうということはないですが、何枚も増えていくと意外とスペースを取る上、地震や台風などの自然災害や盗難など物理的に契約書を紛失するリスクは割とあります。特に中小企業では金庫に現金や契約書を置いていたら、経理担当者や信頼していた社員が持ち逃げして消えてしまった、なんて話もあります。

電子契約で締結した場合は、当然電子契約サービス上での保管が可能なため場所も取らず物理的な紛失リスクもありません。パソコンを無くしたとしてもIDとパスワードを覚えていればスマホからでも閲覧・確認することができます。

電子契約のデメリット

続いて電子契約を導入した場合のデメリットをみていきましょう。こちらも主に3つデメリットが挙げられます。

1.全ての契約を電子契約にできるわけではない

業種や契約内容によっては、電子契約での締結が法律で認められていないものも存在します。主に以下の契約の場合は電子契約ができません。

  • 定期借地契約
  • 投資信託契約
  • 訪問販売
  • 電話勧誘販売
  • 労働条件通知書

不動産業界では一定の割合で定期借地契約は出てきますし、投資信託などの金融業でも同様に契約ができないので注意が必要です。こうした場合は、電子契約できるものは電子にして一部契約は紙のまま実行する、というような業務フローを作るケースもあるでしょう。

2.相手方の同意がないと電子契約できない

こちら側がいくら電子契約での締結を打診しても、相手側の企業がNGを出した場合は紙での契約締結が必要となります。主に気にする点としては、ユーザー登録が必要か?電子契約した契約書データの保管方法、電子契約した際の電子署名の方式、あたりが論点となりやすいです。

大手企業では利用するサービス自体もセキュリティや利用規約のチェックがあり事前に申請しないと便利なサービスでも使えない場合が結構あります。また、相手方の契約書の保管方法が紙による保管を徹底していて電子契約がマイナーな場合にはイレギュラーな管理が必要なる場合もありえます。

こうした場合には残念ながら紙の契約書での契約をするしかないと言えます。

3.既に紙で契約したものを電子化するのは難しい

これは新たな契約を電子契約にするときには関係ない話ですが、既に紙で契約した書面を電子化して保存したいという場合には非常に注意が必要です。

既に現物で紙として存在する契約を電子化する場合は、電子帳簿保存法という法律に則って、税務署へ3ヶ月前に申請し、電子化できる契約書は最長でも契約締結から37日前までのものしか対象になりません。また電子化する際にも非常に面倒な手続き要件が定められており、電子化して保管するより電子化するまでの作業コストの方が莫大なのであまりオススメしません。

また、同様に契約自体は紙でして保管は電子化する、というオペレーションを考えている場合にも上記のルールは適用されるのでよく吟味されたほうがいいでしょう。(紙の契約の電子化についてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

ただし、こうした制約を生む電子帳簿保存法の適用はあくまで紙の契約書を電子化する場合であって、最初から電子契約で成立した契約については対象となりません。よって、電子契約でオンライン上で完結するオペレーションを設計している場合は事前の税務署への申請や37日以内の複雑な電子化プロセス要件を守る必要はありません。

いかがでしたでしょうか。総じてまとめると電子契約はいくつか気をつけるべき点はありますが、基本的には便利でラクな手法と言えます。最近では上場企業でも幅広く導入されており、国内でも普及が進んでいるためぜひ導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

大手の電子契約サービスの比較について調べるにはこちらのサービス比較記事がオススメです。

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